留学経験なしだけどこれからアメリカに留学したい学生や、将来移住を考えている成人向けに書いてます。

僕が語学力0からの海外生活経験がある為、老若男女から頻繁に海外移住や留学の相談を受けます。
その度につくづく思うのが、
「英会話能力の高さって、実際の海外生活を送ることとあんまり関係ないな。」
ってことです。
もちろん英会話能力が高ければ、家の契約やスーパーでの買い物など日常生活にはあまり不自由しないと思います。
けど所詮、語学はコミュニケーションツールなんですよね。別にそれ自体は凄くない。
日本人と韓国人は特に英語の神格化が強いようで、英語が喋れたら何か人生が大きく変わるようなイメージを持っている人が多いです。
これって英会話ビジネスが巨業だからなんでしょうね・・・・英語コンプレックスはお金になるんです。
かつて高須クリニックの院長が
包茎男子=かっこ悪い&不潔
という広告をバンバン使ったイメージ操作により、多くの包茎男子に手術を受けさせ、巨万の富を得たやり方と同じです。
僕もかつては
「英語が喋れれば人生変わるよ。」
なんて軽口を調子こいて叩いていましたが、今はそこまでの言い切りはしません。
なぜなら殆どの日本人が大人になってから到達できる英会話レベルは、たかが知れているからです。
そのたかが知れているレベルの英会話を使って
「次に何をするか!?」
↑ここでようやく人生が変わるんです。
高学歴の秀才もアメリカで病む
僕のアメリカ時代の知人に、国立の医学部を卒業した元病院の院長だった女性がいました。
優秀な頭脳を持っている秀才の彼女でも、明らかにネイティブの発音からは程遠いですし、使える語彙も乏しく、ネイティブスピーカーとのコミュニケーションには大変苦労していて、出会った時はかなり病んでいました。
成人でも、とりあえず何年か住めば英語はある程度喋れるようになります。ただある程度のレベルで殆どの人は成長が止まります。
そんな英語レベルでもアメリカでは、自分の意見や立場を主張しなければいけない場面が日本よりずっと多くあります。
頼んでもなかなか来ない修理の業者と交渉したり、個人売買で契約書をかわしたり、交通違反のチケットをもらって裁判所に行ったり、警察に車を止められて状況説明したり....etc
あなたは緊迫した場面や、悪意や怒りなどの負の感情を向けてくる相手に冷静に英語で対処できますか?

人種差別の前では英会話能力は意味をなさない。
移民の多いLAやNYに住めば、英会話に不慣れな人種に慣れている人も多いので若干寛容ですが、はっきり言って差別はまだありますよ。(^^;
たまに「アメリカで差別を受けたことないよ。受けたと感じる人はコミュ力が低いんだと思うよ。」っていう謎な発言をする旅行者がいますけど、殆どの場合ただリスニング能力の問題で、
差別されていることに気づいていないだけ
です。
僕はアメリカのバンドで活動していた頃、メンバー内唯一のアジア人でした。
そのバンドでアメリカ西部をツアーで回った際には、いく先々で他のメンバーとの扱いの違いを感じました。もちろん殆どの人はいい人ですが、地域によってはかなり奇異の目で見られます。

一番困ったのが、ライブ直前にも関わらず僕の機材のセッティングだけ放置されたりするので、直接スタッフにお願いしに言っても
「それ俺の仕事じゃないから。自分でやれよ。」
っと突き放されるのはマジで嫌でしたね。w (ツアー中2回〜3回ありました。)
他のメンバーの機材はちゃんとセッティングしてるのに・・・・らちがあかないので、ちょっと上の人っぽいスタッフや友好的な雰囲気のスタッフに声をかけて手を貸してもらいました。
初対面の人に理由なく、第一声から超冷たくされるのってマジで耐性ゼロなので凹みますよ。(人種差別に無頓着な日本生まれなので。)
7年間の生活で僕が重要だと思ったのはこれ。
ようはアメリカで生活をしたいなら、英会話能力よりも大事なのが無視力と行動力です。
差別的な人の発言は無視し、協力的な人を探し出す行動力。
7年間のアメリカ生活で2回ホームレスになった僕は、協力的な友を持っていたことで救われました。
英会話能力に自信があってもアメリカに住めるとは限りません。心が折れて帰国する留学生や海外転職組を数多く見てきて本当にそう思います。

アメリカはいまだに僕の大好きな国です。ただ全ての人に移住や留学をオススメできる国ではないと思います。
語学留学なら最近はフィリピンが安くてクオリティーが高いと評判ですし、移住ならば北米のカナダの方が治安はずっといいです。
駅前留学するくらいなら、滝行して無の境地の心境を学ぶ方がマジでいいかも知れないと思う今日この頃です。(結構本気で思う。)