「プロのミュージシャンになりたい!」
「バンドで大成功してやるぜ!」
「もう音楽は諦めた・・・」
そんな方達(同士)に向けて書いた記事になっています。

目次
プロミュージシャンの定義はない
プロミュージシャンの明確な定義はないですが、一般的には
- メジャーなレコード会社と契約を結んだらプロミュージシャン。
- 音楽のみで生活できたらプロミュージシャン。
辺りをプロミュージシャンと考える人が多そうですね。
ただ近年YoutubeやSNSを使った個人の音楽家の中には、メジャーレーベルに所属しているアーティストの何倍もの収益と人気を獲得している方が沢山います。
この流れで垣根がますます曖昧になり、正直プロの定義は混沌を極めています。
ですので、「音楽が収入の柱になっている人はプロミュージシャン」って感じのゆるい定義でいいかなと思います。
プロミュージシャンのギャラはいくらか?
超ピンキリです。
スタジオミュージシャンでも1つのレコーディングのギャラは数千円〜数万円くらいとかなり幅があります。

僕がアメリカで初めてギャラをもらったときはバンドで$300くらいでした。
五人編成だったので、一人$60(約6600円)くらいでしたね。

USAのリアルなデータによると

データ引用元:https://www.indeed.com/salaries/musician-Salaries
エンタメといえばUSA。そのアメリカのプロミュージシャンの平均年収は$42027。
日本円にすると約460万円くらいですね。
月収にすると40万いかないくらいですが、これなら立派に音楽で生計を立てていると言えそうです。
ただこれはアメリカのデータなので、日本だとグッとこの数字は低くなります。
日本ではプロのミュージシャンにはなれない?
音楽で生活を出来るレベルを基準にした場合、日本でプロミュージシャンになれる人は超少ないです。
まず圧倒的に母数が少ない。
アメリカではイベントの際に生バンドを呼んだり、教会でもミサの際にミュージシャンを雇ったりと音楽の需要が日本と比較にならないくらいあります。
特に教会は全米中あちらこちらにあるので、信頼関係さえ気付ければ超安定した収入源に!
教会の音楽は本当に凄いですよ。

こちらの方のブログ記事が参考になります↓
アメリカでの音楽のお仕事 − チャーチギグ(教会ピアニスト)について詳しく書いてみた
ただこれも日本には全く当てはまりません。
アメリカの場合は個人の知名度がなくても(一般には無名でも)、音楽だけで生活できているミュージシャンは沢山います。
しかし日本では、バーや飲食店で演奏を楽しむ文化も浸透していないので、知名度のないミュージシャンが演奏で稼ぐには、ライブハウスに出演しチケットやグッズを売って収益を上げるしかないのが現状です。
しかも大抵のライブハウスはノルマがあるので、収益がトントンなら御の字っといったミュージシャンが大半だと思います。

プロミュージシャンを目指すのはやめた方がいいのか
僕の自論ですが、プロミュージシャンは目指すものでは無いと思っています。
音楽を生み出す&演奏すること、その行為そのものを愛して続けた結果、一部の運のいい人がプロミュージシャンになれるのです。
運の要素は無視できない
アメリカには「in the right place at the right time(ちょうどいい時にちょうどいい場所にいる)」という言葉があります。
要は「どんなに才能や人柄に恵まれていても、時代が追いついていなかったり、人の目にたまたま触れる機会がなければ、その才能は埋もれたままになる。運という要素は必ずついて回るよ。」っという意味です。
プロスポーツ選手と同じで、一番努力した人や一番音楽に愛情を持っている人がプロになれる訳ではないのです。
有名な例だと映画にもなったメタルバンドの「アンヴィル」なんかわかりやすいですね。
才能プラス運は絶対必要なんです。聞きたくないかもしれないですが・・・・・実は「お金」もです。
音楽でメンタルを病む
最初は好きでやっていた音楽もプロになることを意識すると「このまま音楽を続けていくのはつらい・・・」と感じる瞬間は数えきれないほど起こると思います。
現実問題として
「お金がない→生活出来ない→仕事を探そう→音楽活動と両立できる仕事がそんなにない」
という壁にぶち当たる仲間を数えきれないほどみてきました。

お金がないとプロになるのは厳しい
残念ですが、家がお金持ちであることか否かも、例外なくミュージシャンの世界での成功に影響してきます。
結構有名なバンドのメンバーでも、こっそりとバイトをしていることは少し業界にいたことがある人には周知の事実だと思います。
あなたがをバイトをしている間にも、親のお金で養ってもらえているミュージシャンは、SNSで宣伝をしてYoutubeで動画配信をして、曲を作り、練習をしています。

この事実ひとつとってもプロミュージシャンを目指すことは茨の道です。
音楽を使って身を立てたいのか、音楽と共に生きたいのか?
前者であればミュージシャンよりもプログラミングやビジネスを覚えた方がずっと再現性は高そうですし、もし後者であるならばプロにこだわる必要はありません。
あなたがプロミュージシャンになりたい本当の理由はなんですか??
プロミュージシャンの夢が破れた後の生き方も考えておこう
昭和的な発想だと「背水の陣の覚悟でやれば夢は叶う!!プロミュージシャンに俺はなる!!」と決意を胸に、冷房の無い部屋でメトロノームを相手に何時間も鬼練習とかするんでしょうが、現実はカカオチョコレート100%より万倍苦いのです。
何も才能がないから夢に破れる訳じゃありませんよ。
事故や病気、身内の不幸。人生には「まさかの坂」が突然やってきます。
そんな夢破れた後にどう生きるのか、とっても大事なテーマだと思います。
「日本で食えないなら海外で食う。」っというの一つの手でしょうね。
もしもの時を考えることは、逃げ道を作ることと同義ではなく、むしろ真剣に夢と向き合っているからこそ出来ることだと思います。
なぜなら、あなたの夢はあなただけのものではないからです。きっと応援してくれている友人や家族、恋人、彼らの人生を大なり小なり巻き込んでいるはずですから。
次の一手を想定して動くことによって、メンタルにずっと余裕ができます。
余裕がなくなった時点でゲームの負けはほぼ決まります。
夢破れた後も音楽は続く
夢を持つことは素晴らしいです。プロミュージシャンを目指して毎日を必死に生きることも素晴らしいと思います。
ただこれからのミュージシャンはプロにこだわる必要はありません。
メジャーが使う潤沢な広告資金に頼らなくたって、何万人ものオーディエンスに届けるツールは無数にあります。
宅録の環境も今や一昔前のプロのレコーディングスタジオと遜色ないレベルにまできています。

長い月日をかけて磨き上げたあなたの音楽スキルは、夢破れたからといって価値のなくなるものではありません。
ミュージシャンは多分、どんな生き方をしようと一生ミュージシャンなんです。
音楽に心を動かされ、音楽を中心に生きたこれまでの人生は絶対無駄じゃないです。今は無理でも発信してほしいです。
元ミュージシャンの僕も、いつかまた音楽の世界にどっぷりつかる日が来ることを感じています。