
破産者マップは官報から集めた”破産者の個人情報をまとめたサイト”で、今年の3月ごろにネットで大炎上を起こしました。
破産者マップ事件(はさんしゃマップじけん)は、2019年3月にインターネット上で起きた事件。
『破産者マップ』と称するウェブサイトの運営者が、破産決定から免責に至った者を個別的・断続的に掲載している官報の破産者情報を包括的・網羅的に収集し、データベース化させ、Google マップに関連付け設定を施し、Googleマップ上に破産手続きした者の住所の上にピン(目印)を挿入するなど容易に可視化させるサイトを実験的に開設した。しかし、破産者を一元化させるこのサイトの設立に対し、プライバシー権への侵害や社会的評価を低下させることによる名誉を毀損させる行為であるなど、次第に物議を醸し、2019年3月にはこれを問題視するメディアも出てくるなど報道が過熱し、これを受けて被害対策弁護団が結成される事態にまで発展した。最終的には後述の理由からサイトは閉鎖した。
出典元:Wikipedia
そんな破産者マップの後継サイトと思われる「Monster Map」が登場し、再びネットを騒がせているようなので調べてみました。
目次
破産者マップって何で話題になったの?
破産者マップは事故物件を紹介している”大島てる”の破産者バージョンといった感じで、地図上に破産者の個人情報がピン付されちゃっていました。
この機能でご近所の破産者を簡単に見つけることが可能でした。

”人の不幸は蜜の味”を証明するかのように、破産者マップは凄まじいアクセス爆発を起こしました。
- 2019年3月15日頃 破産者マップを公開。
- 2019年3月16日 1時間に230万アクセスを記録。
- 2019年3月19日 サイトを閉鎖。
1時間あたり230万アクセスあるみたいです。これまでと違い、1時間100万ビューでサーバーが落ちることはなくなったようです。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 16, 2019


ここまでのアクセス爆発みたことない。
もしアドセンス狙いのサイトだとしたら、1日で数百万円〜1000万円稼げてしまうレベルのアクセス数です。
被害対策弁護団も結成され様々なところからのクレームもあり、最終的に運営側の心が折れてしまい、公開からわずか4日で被害者マップは閉鎖に追い込まれます。
悲しい話をいっぱいみて、心が折れてきました。今日、まだ飯くってないし。サーバー重いし、脅しに怯えてスタッフやめていくし。「皇居の上にピンを落としてるのは、陛下に対する侮辱か、おまえ?」某団体からメールくるし。メンタルが折れてきました。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 17, 2019
(重要なお知らせ続き)
1.サイトを閉鎖します。
2.官報から取得した破産者の情報は削除します。
3.削除申請フォームのデータは削除します。
4.本人確認書類は削除します。
5.ドメインにつきましては、今後、類似サイトが出る恐れがあるため、一定期間保持します。— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
運営者が破産者マップを作った理由と主張
破産者マップの運営者と思われる係長とやばれる人物の主張によると本来は「破産者マップではなく、交通事故の発生頻度を時間帯別にマップ化するアプリ」を作りたかったそう。
係長の立場でこんなこというのもあれなんですが、本当は破産者マップじゃなくて、警察か交通安全協会から、歩行者の交通事故発生のデータをもらって、交通事故の時間帯別ごとにマップ化して、さらに携帯アプリにそのデータいれて、危険な場所にさしかかったら携帯が震えて知らせてくれるー
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 17, 2019
(続き)そのようなものがつくりたかったです。警察や交通安全協会に詳しい方に教えてほしいのですが、そういったデータを情報公開をつかったりして取得することは可能ですか?警視庁が交通事故発生マップをつくってるんですが、みんながもってる携帯にGPSと連動させたいのです。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 17, 2019

鎮火目的の為のツイート感が強いですね。
破産者マップは名誉毀損じゃ無い
破産者マップに載っている情報は官報に載っているもので、誰でも閲覧可能な情報です。
破産者マップ側の主張は「破産者マップが名誉毀損であれば、同じ情報が載っている官報を扱っている図書館や大学も名誉毀損になるのでは?」といったものです。
破産者マップが、破産者の名誉を傷つけているというコメントをよく頂くのですが、誰もが自由に見ることができる状態で官報を公開してる図書館や大学も、破産者の名誉を傷つけているのでしょうか?公民の教科書に書いてないので教えてください。おねがいします。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
破産者マップの運営者と思われるこの係長と呼ばれる人物のツイート内容から察するに、かなり若年層であると思われます。(10代後半〜20代前半!?)
”公民の教科書”という単語を使うあたりにもその感じ個人的には見て取れるのですが・・・みなさんはどう思いますか?
運営者は海外在住?
このツイート内容から破産者マップの運営者は”海外に在住している日本人もしくは留学生”では無いかと思います。
日本にいる友達から破産マップがニュースに出てると聞き驚きました。そして悲しい気持ちでいっぱいです。僕の住んでる街では、困っている人を見かけたら助けます。困ってる人は、道の横で「僕は昨日から食べてない。おなかがすいてる」というプラカードをだします。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
”日本にる友達から聞いた”、”僕の住んでいる街では困っている人を助ける”
この発言から破産者マップの運営者である係長は今現在、海外に住んでいることで間違いなさそうです。
そしてやはりここでも運営者はかなり若い年齢だと推測できる内容のツイートがあります↓
いや、僕そんな知識ないです。高校もろくに通ってないんで。たぶん、それで万年係長なんだと思います。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 17, 2019
高校にあまり通わなかった事実を語ったり、公民の教科書を例に出したりするのは、いい年をした大人はしないかな・・・っと。
破産者マップとMonster Mapの運営者は同一人物?
破産者マップのサイト閉鎖騒動から一年も経たずに立ち上がったのがMonster Mapです。
こちらも破産者マップ同様、2008年から現在までの破産者の個人情報が閲覧できます。
破産者マップとMonster Map共に官報を情報源にした手法が一緒なので、ネットでは同一人物では?っと噂されています。
破産者マップとMonster Mapの運営者が同一人物の可能性を検証をしている人もいます↓
新「類似サイト」、旧「破産者マップ」のデータを流用、または同一人物や関係者が運営している可能性
1.OCR誤認識、箇所が完全一致
>井が#になる点、同じデータで同じ誤認部分2.公開範囲が同一(10年分、2009年1月~現在)
3.フッターの主張が類似#破産者マップ被害対策弁護団@166mochizuki pic.twitter.com/UApnncew7V
— nuco.jp (Normal Cat) (@nuco_jp) November 12, 2019
ただ僕の個人の見解としてはMonster Mapは破産者マップのデータを流用したサイトで、運営者は全くの別人だと思います。
破産者マップとMonster Mapの運営者が違うと思う理由
理由1:徹底した対策
破産者マップの運営者は法律に関する知識があまりなく、運営上のクレームに対する対策も不十分でスキだらけでした。
しかし今回のMonster Mapの運営者は
このサイトはスイス人のスイス人によるスイス人のためのサイトです。このサイトはスイスの法律に従っています。
っという法的告知を明記して、司法の手が届きにくい海外にサーバーを置く「防弾サーバー」という対策を打っています。
これにより破産者マップとは違い、サイトが閉鎖に追い込まれる危険を回避しています。
また
このWEBサイトはフィクションです。このWEBサイトに掲載されている個人や組織は、実在する個人や組織と一切関係がありません。
アジア地域に居住または勤務する方が、このサイトにアクセス、閲覧することは禁じられています。
という文言を入れることにより、この情報は事実でないから訴えても無駄と主張し、アジアの日本に住んでいる破産者からのクレームを一切受け付けないという徹底した対策をしています。
これはどう考えても破産者マップの運営者であった人物とは、明らかにレベルが違う人物が運営していると思います。
理由2:破産者に一切同情していない
破産者マップの運営者は破産者を晒し者にする気はなく、”あなたの周りに困っている破産者がいることを知って欲しい”、”世間がもっと手を差し伸べて欲しい”というビジョンがありました。(嘘か本音かは別として。)
その点Monster Mapの運営者のサイトのトップページには
『金は命より重い、サラリーマンも役人も命がけで金を得ている』
っという破産者に対する同情というよりも、怒りとも取れる文言をあえて入れています。
これは破産者に同情的な破産者マップの運営者とは全く違う主張です。
こういった点から僕は破産者マップとMonster Mapの運営者は同一人物ではない、っと考えています。
まとめ
朝にたまたまこちらのYoutube動画を見るまで破産者マップ事件の存在も一切知りませんでした。
僕も複数のサイトを運営している身としてわかるのですが、これだけの人の関心とアクセスを集めるサイトを作るのは至難の技です。
ネットではアクセス=お金とほぼ同義なので、運営者がアクセス目的であれば少しは話が単純になる気がしますし、交渉の余地がありそうです。
ただこのMonster Mapの運営者の破産者に対する思いというのが、根深い恨みの念のようなものに感じられるので、破産者マップの時のように”心が折れて閉鎖”っといた事態にはならない気がします。
お金を貸している側からすると、貸した相手が破産して返済義務が法的になくなったところで、気持ち的に納得できないのが普通なのかも。
